レミケード(Remicade)

どんな薬ですか?

レミケードは米国Centocore社が開発した薬で、炎症の”指揮官”たるTNFを中和する抗体をお薬としたものです。
一般名をインフリキシマブと呼びます。レミケードは商品名です。

遺伝子技術を駆使してマウスの抗体とヒトの抗体をくっつけて出来ています。
ギリシャ神話に頭がライオン、尻尾がへびという怪獣=”キメラ”が出てきますが、それにならって
このレミケードは”キメラ抗体”と呼ばれています。

米国FDAは1998年にクローン病に、1999年にリウマチに認可しました。
ヨーロッパにおいてはクローン病、リウマチに加えて強直性脊椎炎にも認可されています。

現在では、炎症性疾患に広く効果があることがわかり、乾癬ならびに乾癬性関節炎、大動脈炎症候群(高安病)、
全身性エリテマトーデス、若年性リウマチ、ベーチェット病等にも試みられており、有効であるとの報告が増えています。


効き目と特徴は?

点滴で使うお薬です。初回、2週間目、6週間目に点滴し、以後は8週間ごとに点滴します。
メトトレキサートと一緒に使う必要があります。これは点滴後、体内のレミケードが徐々に減っていく際に症状のリバウンドを防ぐためと、レミケードに対する中和抗体(レミケードに対する抗体を作ってしまいレミケードの効きが悪くなる)をでき難くするためです。

非常に効き目が早いとともに、102週間の治療結果で関節破壊の進行が抑えられたことが報告(米国)されています。


欠点は?

まず、点滴をしている時に起こるアレルギー反応があります。
具体的にはジンマシン、胸苦しさ、ぜんそく等の症状です。ショック症状といった重篤なものも知られています。
アレルギー反応には、即座に対応することが一番重要です。

つぎに感染症です。TNFはリウマチでは悪者ですが、感染に罹ったときには善玉です。残念ながら、レミケードは善玉の役割も抑えますから、感染症が起こりやすくなります。特に日本人の場合は結核に要注意です(日本は結核に関しては発展途上国なみに多いのです)。
胸のレントゲン、CT検査とツベルクリン反応は必須です。場合によっては結核の予防薬を併用します。
結核の既往がある方、レントゲンで偶然に影が見つかった場合は、慎重に考える必要があります。

悪性腫瘍(がん)がある場合は使えません。また、神経への副作用、血液への副作用も知られています。


治療費について

レミケードの薬価(保険で決められた公定価格)は1バイアル¥113,190(!)
通常2バイアル必要ですので、レミケード治療1回につき、お薬だけで約23万円です。
もちろん、診察費や血液検査、レントゲン、レミケード以外のお薬代等も必要ですので、3割の自己負担で1回8万円前後かかります。

レミケードを開始すると、最初の1年間は8回の点滴治療を要しますので、レミケードだけで8×23万=184万円
その他の分を加えると、約200万円近くの保険治療費がかかります。


保険について

レミケードはリウマトレックスが無効の場合に限られます。したがって、リウマトレックスでの
治療なしに、レミケードを使うことはできません。リウマトレックスは、”他の抗リウマチ薬が無効な場合”に使うことのできるお薬です。したがって、早期のリウマチ患者さんにレミケードを使用することはかなり困難です。
どういうことか?
リウマトレックス以外の抗リウマチ薬の効果判定=約3ヶ月
リウマトレックスを使い始めて、その効果判定=約3ヶ月(実際は6ヶ月ぐらいかかる)
約1年間は、レミケード以外のお薬を用いて治療してみる必要があります。

また、副作用等でリウマトレックスが使えない場合は、レミケードも使えないことになります。


最後に

今までにない作用をもった、画期的なお薬であることは間違いありません。
メリット、デメリットをよく考え、このお薬を上手に生かして使うことが、
新しい時代のリウマチ治療につながるものと信じています。
医者−患者双方がよく勉強することが大事です。

レミケードQ&A